sirotaku
1: ノチラ ★ 2017/09/24(日) 03:46:09.94 ID:CAP_USER
羽田空港国際線ターミナルの1階出口を出ると、奇妙な光景に出くわした。

 駐車禁止の立て看板を前に、自家用車がズラリと停車しているのである。その駐車禁止エリアに程近いところには、国際線ターミナル交番がある。白昼堂々、交番の目の前で行われている駐車違反を、なぜ警察は取り締まらないのだろうか。

 8月下旬、出入国のピークは過ぎたものの、羽田空港は利用客で賑わっていた。空港敷地内にある3000台を収容する駐車場には、空き待ちの長い列ができていた。たいていの車はこの列に加わり、辛抱強く順番待ちをする。その一方で、駐禁エリアにもかかわらず、堂々と違法駐車をやってのける車の列がある。

筆者が空港を訪れたその日、上海発の中国東方航空が到着したロビーは乗客であふれていた。税関審査を終えて出てくる乗客を迎えるのは、プラカードを掲げた旅行会社もあれば、孫や子どもの帰国を待つ家族の姿もある。

 そんな中に、Tシャツに短パンという軽装の男たちが何人かいた。出てくる乗客を気にする一方で、しきりにスマートフォンに目を落としている。

 20分は過ぎただろうか。この“Tシャツ短パン男”は、ゲートから出てきた若いファミリーが自分の“待ち人”だと分かると二言三言挨拶を交わし、エレベーター乗り場に誘った。そして、1階の駐禁エリアに止めてあった黒のワゴン車に3人家族とベビーカーを乗せると、足早に空港を去って行った。

 この家族の他にも、駐禁エリアに停車中の車を目指して歩く中国人の家族連れがいた。トランクを載せたカートを押しながら、父親とおぼしき男性がスマホを耳に当ててズラリと並んだ違法駐車の列に近づいて行く。歩みを止め、車の中をのぞいてはまた歩き出す。どうやら、顔見知りでない相手を見つけるのにだいぶ苦労しているようだ。

 実は、この車の列の正体は、いわゆる「白タク」だったのである。

逃げ口上で罰せられず
日本の警察はなめられている

 筆者は交番を訪れ、警察官に「目の前で行われている駐車違反を、なぜ取り締まらないのですか」と尋ねた。すると、「5分以内であれば違反にはならない」と言う。しかし、これらはどう見ても5分以上は経過している車ばかりだ。交番を前に白昼堂々の違法駐車、日本の警察はすっかりなめられているとしか言いようがない。
筆者は、警察官にすでに目撃した二つの家族の話を伝えた。そして中国では、スマホのアプリで白タクによる「送迎サービス」や「観光案内」が“販売”されていることも加えた。客の送迎を有償で行うのは白タク行為、ましてや観光案内を行うなどは法律違反である。

 すると、この警察官は数分を置かずして、現場に向かっておもむろに歩き始めた。助手席のウィンドウを下げさせて、車の中に首を突っ込みながら一台一台、職務質問を始めた。

 1時間後、この警察官に「白昼堂々の駐車違反の正体」を尋ねた。すると「中国人が多かった」と言う。「けれども」とこの警察官は続けた。「みんな異口同音に『家族を迎えに来たと』言っている」

 それは白タクの常套手段である。「親戚を迎えに来ただけ」「車内にいるのは友達だ」「お金なんてとってない」は彼らのお決まりの逃げ口上であり、こう言えば警察も突っ込めないことを知っているのである。
http://diamond.jp/articles/-/143052